2007/01/11

弁明書Nさん

2007年1月10日

大阪市長 關淳一 殿


弁明書

 このたび、大阪市が私たちの暮らすテント・小屋がけに対して撤去を求めていますが、今の状況の下ではテントの撤去も私たちの立ち退きも選ぶことができません。

 強制排除により、何人かの仲間は行き場(生き場)を失い路頭に迷うことになります。引っ越し先を探しておりますが、大阪市としてテント・小屋の新規設置を厳しく規制していることもあり、はなはだ困難です。真冬のこの時期の強制排除は路上死に直結しかねない、著しい人権侵害です。
 大阪市としては、シェルターや自立支援センター、高齢野宿者には生活保護をということで「対策メニュー」を用意していると主張しています。しかし、そのいずれも選択することのできない仲間がいる現実は「対策メニュー」の不十分さを物語っています。また、「対策を受け入れるか、さもなくば強制排除」「野宿者の生活・人権よりも管理の適正化」という大阪市に対する抗議の意思表示としてとどまっている仲間もいます。「自立支援」の押しつけのもと、「対策に乗らないものは行政は面倒をみない」というのは私たちにとっては「死んでもかまわない」と宣告されていることと同じです。世間から見ても、「わがままな野宿者だから仕方がない」という見方が広がることを懸念します。野宿者の死を容認するような社会はと
ても危険な社会だと思います。
 私たちは、現住する場所に固執して強制排除に反対するわけではありません。他に生きていける場所=代替地の提示を求めているのです。公園工事にはこれまでも公園事務所と話し合いの上で、可能な限り協力してきたという経緯もあります。

 しかしながら、この半年、公園事務所と私たちの間では「話し合い」は存在しませんでした。「工事に協力してほしい」というのみで、替わりに生きていける場所を求めると「代替地は認めない」「一切妥協しない」と木で鼻をくくったような答えが返ってくるだけでした。
10人ほどの仲間が「説得に応じて自主退去した」と報道されていますが、これも事実と違う部分があると思います。それぞれの当事者が納得して移動したのは間違いないと思いますが、実際は「強制排除という圧力のもとで、否応なく立ち退いた」というのが真相だと思います。いまは、みんなの幸福を願うのみです。

いま、労働者の雇用と生活が不安定・低収入に追いやられワーキングプアとも呼ばれる労働者層が拡大しています。とりわけ若い労働者の「日雇い派遣」「ワンコールワーカー」は現代の日雇い労働者と呼べる存在であり、深夜営業のインターネットカフェや漫画喫茶で「居住」する若者は「ホームレス状態」であると言えます。野宿者と貧困労働者の垣根はますます低くなっています。労働者切捨ての帰結として野宿・野垂れ死にがあり、強制排除という行政による労働者保護の責任放棄、死刑宣告にも等しい行為は、労働者棄民化の象徴的な事件であると言えます。
野宿者の強制排除は全労働者に対する弾圧であると考えます。

最後に、大阪市というよりも公園事務所職員のみなさま一人ひとりに申し上げたいことは、昨年の強制排除当日の現場で私たちがもっとも悔しい思いをしたのは、相対する市職員やガードマンたち(解体したテントや荷物を運搬車両に積み込んだのは、日雇い派遣で集められたフリーターだった)は、本来であればともに闘うべき仲間であるのに、ということです。労働者同士が殺し合いをさせられるという状況に対し、みなさまとともに何かを為していきたいと思っています。

以上
posted by kamapat at 13:26 | 長居公園代執行

Sさんの弁明書

2007年1月10日

大阪市長 關淳一 殿


〒546-0034大阪市東住吉区長居公園テント村


弁明書

私,Sは,この3年間長居公園で生活してきました。今回,大阪市が整備工事を名目として私たちの住居を強制撤去しようとしていることには到底納得がいかないので,いくつか弁明申し上げます。

大阪市の言い分は,以下のようにまとめることができます。
(1) 私たちのテント村周辺が夜間暗いなどの問題があるので,街灯設置などの整備工事が必要である。整備工事のために,私たちのテントを撤去する必要がある。
(2) 大阪市は,代替住居として自立支援センターなどへの入所を勧めてきたから,強制撤去後に私たちが路頭に迷うことになるとしても,それは一切私たちの責任であり,大阪市の側に非はない。
(3) そもそも,私たちのテントは都市公園法上の不法占有に該当するから,強制撤去が可能である。
以上の各点について,私なりの考えを述べていきます。next
posted by kamapat at 13:20 | 長居公園代執行

Fさんの弁明書

2007年1月10日
大阪市長 關淳一 殿

弁明書

 私は、去年1月30日に、うつぼ公園・大阪城公園で行政代執行にあった当事者です。今回また長居公園も行政代執行を、しようとしています。うつぼ・大阪城公園と同じで、満足な代替地も与えず、シェルターや自立支援センターなどへの強要と押しつけだけで、充分な話し合いせず、私や仲間達そして支援者の人達の話を聞きませんでした。公園事務所の人達や行政側の人達は、私達、ホームレスの人達を、人間として認めないで、強制排除、行政代執行という名の権力の暴力をまたおこなおうとしています。
 私達ホームレスは、一時避難している場所が、公園であったり、路上、河川敷の場所です。たとえホームレスでも、生きているからには生活する場所、人間として生きる、小屋がけ、テント必要です。以前、大阪城公園で生活していたときに、テント小屋がけをしていない人が、公園事務所の人達に、シェルターに入れてくれるように頼んだところ、大阪城公園でテント・小屋がけしている人しか入れない、こういうような話を何人かの人達から聞きました。テント・小屋がけしないで、夜になると大阪城公園に来てダンボールハウスを作って寝る人達に対して、何の対策もせず、私達テント・小屋がけしている人達には、シェルターに入れと強要し押しつける。行政は、同じホームレスでもこうした偏見と差別をしている。目に見えてテント・小屋がけが減ればそれでホームレスの問題がなくなるわけではありません。
 こういうことからでもわかるように、収容と排除が目的だけの行政側の人達に対し、私達は一致団結し、非暴力で戦っていきます。たとえ長居公園から行政代執行で強制排除されても、私はどこかの公園に移動し生活していきます。私は、生命ある限り、これからも強制排除・行政代執行、行政の不当な行いに対して、強く抗議行動をしていきます。
 弱者いじめや税金のムダづかいをやめ、失業対策にもっと力を入れてくれることを私達は要望します。今からでもおそくない。長居公園世界陸上大阪大会のための工事名目の不当な追い出しをやめてください。行政側の人達は、もっと話し合いをしようではないか。本当にこれでよいのか。頭を冷やして考え直せ。行政側の人達よ。
posted by kamapat at 13:15 | 長居公園代執行

Kさんの弁明書

2007年1月10日
大阪市長 關淳一 殿

弁明書

儂はここ長居に暮らして10年になります。多くの役人と話をつけ、多くの揉め事もまとめてきました。今まではそれをしてきた、できてきた。それが、今度はできないというのはどういった道理でしょう。
過去に遡りオリンピック誘致、ワールドカップ前夜と、長居公園のホームレスが暮らすテントが撤去される段には、必ず説明会がなされてきました。その都度、話し合いでもって互いに譲歩し頼まれごとは引き受けてきたものです。なぜ今回は説明会すら開かず、力ずくの強制撤去を選ぶのか。それも、「できたら穏便に自主撤去して欲しい」と、言った舌の根も乾かないうちに。

あなたがた役人に認知されかつ多くの局面で協力してきたホームレスを放り出すのであれば、どういう理由で出て行ってほしいのかということをきちんと立証して戴きたい。あなたがたの「説明」した気になっている理由の根拠である住民の苦情とは、漠然と語られるのみで、どういう苦情が過去どうあがっているのか統計や推移など、データとして持ってきたことはない。ましてや工事、工事というが、どこをどう着工するか図面を見せて具体的に示したことは一度としてないではありませんか。これをホームレスへの愚弄と言わずになんと言いましょう。また、あなたがたは、我々のテントについて都市公園法を持ち出して不法占拠と言いたがるが、それを持ち出すのであれば我が国の批准するところの国際人権規約の居住権についてももっと学んでほしい。あなたがたが認めたがらなくとも、儂には居住権ゆうもんが存在するのです。無理やり強制撤去するのであれば、針の穴ぐらいの小さな穴でもあけておくのが筋というものです。自立支援センターやシェルター、生活保護だけが、ホームレスの逃げ道になると、今でもお思いか。
「市のホームレス担当者で、Kの名前を知らない者はいない」。これは、役人自身が言っていたことです。役人は、わしがここでしか生きられん、ということを知っている。それを知っておりながら、個人的に心配していますと言いこそすれ納得のいく説明をする者は誰もおらず現南部公園事務所副所長も逃げておるのが現状です。

 
 行政代執行の段取りも整い、今さら遠慮はいらぬという腹づもりなのでしょうか。

まだ令書は出ておらぬのだから、今なら話し合いの余地はあるというものです。
力で潰しにくるのなら、儂なりの力で対抗すると致します。

以上
posted by kamapat at 13:11 | 長居公園代執行

長居公園強制排除手続き開始

長居公園テント村のすべてのテント(約20軒)に対し、大阪市が行政代執行による強制排除手続きを開始しました。
1月5日に公園事務所職員が『弁明機会付与の通知書』を各テントに配布しました。1月10日までの弁明期限後、『除却命令』が出され、『戒告処分』を経て『行政代執行令書』の発行→強制排除、という流れになるものと思われます。
1月10日は、テント村の4名が弁明書を提出しました。
このブログにもアップしておきます。
posted by kamapat at 13:02 | 長居公園代執行
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