長居公園元気ネットから大阪市へ陳情書を出したという報告をいただきました。以下に掲載させて頂きます。
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大阪市会議長 様
長居公園の野宿者テント村強制排除に関する陳情書
【陳情趣旨】
私たち長居公園元気ネットは、誰もが住みやすいユニバーサルなまちづくりをめざして地域で活動するNPOです。毎年住吉元気まつりなどのイベントを通じて地域の人々との交流に取り組んでいます。
さて今般1月25日、大阪市は長居公園で野宿生活する人々に対し、行政代執行法による強制排除を行う前提として戒告書を交付しました。長居公園のテント村住民による「長居公園仲間の会」は、私たちともたびたび活動を共にし、地域の活動にも多大の貢献をしてきました。ゆえにこの決定には納得出来ません。
市が強制撤去をやむなしとする理由は、園灯などの工事の支障となる、周辺住民より苦情があるとのこと。そして公園の不法占有を続けなくても、代替となる手厚い支援策があるとのことです。また世界陸上という国際イベントが予定されているための野宿者排除であるとの話も耳にします。
しかし当事者らは工事区域外への移動も含む工事への協力を申し出ていますし、私たちも含めた周辺住民に対する迷惑行為もなく、「長居公園仲間の会」のテント村が公園のごく一部を使用している現状をもって、行政代執行法を発動して強制排除しなければならないほどの緊急性があるとは到底思えません。
行政手続法にしたがって当事者らが1月10日付で提出した弁明書を私たちも読み、充分に考慮すべき事由がそこにあると考えています。また、市が手厚い支援策と称する支援メニューの内容が不充分で、当事者らが受け入れ不能とする理由も充分説得力があるものだと思います。
なにより、この厳寒の時期に住居を破壊して追い出しを行い、人の生命を危険に晒すということは、憲法で生存権を保障し、国際人権規約を批准するこの国の行政にあって、あってはならない行為であります。
こうしたことを無視して、血税による多大の費用を投入して行政代執行を強行しようとする理由が全くもって理解できません。国際イベントの会場に野宿者のテントがあることを「恥」というなら、年間200人もの人が路上で亡くなる街というのは「恥」ではないのでしょうか。美観を保った公園のその影で人知れず路上で人が死んで行くような「恥ずべき」社会より、問題を隠蔽することなく、公園のテント・小屋からこの問題を発信してゆき、それを受け止める社会の方がよほど健全であると私たちは考えます。
長居公園を利用する住民という立場からも、野宿する人々の命を危険に晒して得られる公園の「美観」も「適性化」も私たちは望みませんし、そのような市政は間違っていると考え、ここに陳情いたします。
【陳情項目】
1. 1月10日に提出された当事者の弁明書の審議過程を明らかにして、退去勧告に応じられないとした当事者の弁明を正当と判断しなかった根拠、とりわけ当事者側の工事に協力するとの申し出に応じない理由、公園内におけるテント村の存在が周辺住民へ与える影響の深刻さなど、弁明の内容に優先すると考えられ、行政代執行法を発動しなければならないほどの緊急性があるとする理由を示してください。
2. 1について充分納得のゆく回答が得られない場合は、行政代執行手続きをただちに中止し、代替地移動の提案の審議を含む当事者との話し合いを充分に行ってください。
2007年1月29日
【陳情者】
特定非営利活動法人 長居公園元気ネット
代表 佐々木 和晴
posted by kamapat at 10:38
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長居公園代執行