2006/01/16

行政代執行とはなにか/「軍務拒否」の呼びかけ

(以下、転載・転送歓迎)

2005年1月24日、名古屋・白川公園での代執行のために行政側が作成したマニュアルを、以下で公開しています。
http://page.freett.com/kamapat/shirakawa.html

行政代執行とは、警察との緊密な連携のもと、多数の市職員による部隊を緻密に編成して行われる組織的暴力行為であり、「軍事行動」であることがよくわかります。

これは名古屋市のマニュアルですが、大阪市が靱・大阪城公園代執行のために作成しているものもこれと同様か、より内容的にひどいものでしょう。もともとシェルターと排除をセットにする施策自体、長居公園など大阪市の先行例から名古屋市が学んだものです。

以下、ざっと紹介していきます。

『白川公園内の小屋等の撤去(行政代執行)に伴う予想事案等と措置要領』
http://page.freett.com/kamapat/shirakawa_01.html
http://page.freett.com/kamapat/shirakawa_02.html
http://page.freett.com/kamapat/shirakawa_03.html

おそらく警察主導で作成された書面ですが、市職員によるものと思われる手書きの書き込みが随所に見られます。行政・警察・警備会社合同の会議も持たれたのでしょう。

ここでは、抵抗する当事者・支援者を、どういう口実で排除・逮捕するかを綿密に検討しています。
1枚目の「(警察の役割の)実態は全面的支援」
3枚目の「名古屋市(は)全面的に警察をたよる」
という書き込みに、行政と警察の関係性が集約されています。

抗議ビラまきから座り込みに至るまで、「予想される事案」ごとに分類し、「擬律判断」と「措置要領」を定めています。

4枚目以降の『2 実施体制』をみていきましょう。
http://page.freett.com/kamapat/shirakawa_04.html
http://page.freett.com/kamapat/shirakawa_05.html
http://page.freett.com/kamapat/shirakawa_06.html
http://page.freett.com/kamapat/shirakawa_07.html
http://page.freett.com/kamapat/shirakawa_08.html

「現場本部」のもと、「総務隊」「保安隊」「第1〜3作業隊」「保管隊」などに分かれ、さらに細かく数人ごとの班(小隊)ごとに部隊を編成していることがわかります。

『3 情報連絡系統表 (ア)連絡体制表』
http://page.freett.com/kamapat/shirakawa_09.html

この組織図をみれば、シェルターが野宿者排除のシステムの不可欠な一部であることがよくわかります。「シェルター」「警察署」「消防署」と並んでいるのが印象的です。


『11 行政代執行実施に係る対応方針』では、具体的な現場方針が示されています。
http://page.freett.com/kamapat/shirakawa_21.html

『(イ)代執行に際して』
職員に対し「何ら臆することなく指示された業務に従事する」こととし、強制排除に疑問をもたず、規律に服すことを求めています。

そのうえで「暴言や嘲笑、威嚇的な態度は厳に慎むように」とも言っていますが、これは代執行の場面でなくとも、野宿者に対して行政職員が日常的に行っている対応でもあります。

そして実力排除の際は「変に躊躇したりすると怪我やトラブルの元」と、再度命令への服従と断固たる実行を強調しています。

『(ウ)代執行着手時について』では、代執行中のさまざまな状況別に対応が定められています。

『相手が自傷行為に及んだ場合』
http://page.freett.com/kamapat/shirakawa_24.html

計画発案者が、仲間が抗議して「焼身自殺」する可能性や、「自傷行為」に及ぶ可能性まで考慮しており、そのうえで代執行に臨んでいることがわかります。
これが、「殺人行政」でなくてなんでしょうか。

『生活物品がないために「今晩どうすればいいんだ」とわめきちらし、収拾がつかない場合』
http://page.freett.com/kamapat/shirakawa_25.html

仲間の生活の場を破壊し、奪い去ることの犯罪性にまったく無頓着な、この侮蔑的表現には絶句せざるをえません。

『(オ)不測の事態の対応について』
http://page.freett.com/kamapat/shirakawa_26.html

職員が仲間に暴力を振るった(と抗議された)場合、「むやみに反論することなく」対応し、名前を名乗るよう言われたら「何ら反応することなく」現場から逃げていくように、と指示してもいます。

『(カ)一般利用者への対応について』
『(キ)報道関係の対応について』
http://page.freett.com/kamapat/shirakawa_28.html
http://page.freett.com/kamapat/shirakawa_29.html

強制排除の過程を報道されると自分たちに都合が悪いことをよく理解しており、市民やマスコミを撤去現場に近寄らせないよう規制する体制を敷いていることがわかります。。

『(ク)事業執務について』
http://page.freett.com/kamapat/shirakawa_30.html

休憩時であっても部隊行動を貫徹すること、職員が「負傷」した場合でも、班長に申し出、許可を得てから現場を離れるよう定めています。軍隊そのものです。

『(コ)保管・返却方法について』
http://page.freett.com/kamapat/shirakawa_32.html

撤去された物品の返還要求があった際、破損や紛失があれば「状況や原因も含めわからない」と言い逃れをおこない、弁償も拒否せよ、と指導しています。
2003年5月に大阪市が行ったJR大阪駅前での荷物撤去事件を思い起こさせます。
http://www.geocities.co.jp/WallStreet/9279/anti-eviction_030603.html


・・・これで、唐突にマニュアルは終わっています。
この終わり方自体、仲間の生活(靱公園では、10年近くにわたってテントで暮らしてきた仲間もいます)を暴力で断ち切る、代執行にふさわしい形式なのかもしれません。

くりかえしになりますが、代執行とは、行政によって企画・実行される組織的暴力行為です。マニュアル内では動員される職員に「こちらから手を出すな」と繰り返していますが、報道統制や事後の責任回避策を入念に準備している事実に、その犯罪性を行政側がよく自覚していることが見て取れます。

白川では、たった7名の仲間のテントを撤去するのに、600名以上の市職員・ガードマンが動員されました。靱・大阪城では、大阪市によってそれ以上の体制が組まれるであろうことは確実です。

この文章を読んでいる人の中にも、当日動員されるであろう数百名のうちに入る人がいるかと思います。

私たちは、あなた(たち)に呼びかけます。

このような「軍務」を、どうか拒否してください。


(以上)
この記事へのコメント
人権を大切にすることを何よりも大切に仕事をしてきました。小学校の児童に命の大切さを語りかけ、できる限りの実践を続けてきました。人は生きる権利があります。仕事をする権利もあります。何よりも人間らしく生きる権利は「世界人権宣言」にも認められています。戦後60年を懸命に生きてきた人たちが野宿をせざるを得なくなった経緯は日本の政治経済に負うところが大きいです。仕事を奪われ、住む場所を奪われた人たちが野宿をしながら生きようとしているその息の根を止めるとは「人殺し政策」です。『排除』の政策ぐらい差別はありません。大阪市こそ人権教育を大事にしたと自負してきたのに、野宿者に対する政策は人権無視も甚だしい限りです。どうか、野宿者に生きる権利として仕事を与えてください。仕事さえあればどんなに希望が持てるでしょう。限られた命を人間らしく生きられるよう清掃の仕事でも土木の仕事でも回してください。

くれぐれも強制排除はしないでください。お願いします。関大阪市市長さんは皆さんから期待されて再選されたはずです。やさしい人間の住む大阪
市を望んでいます。
Posted by 大森正子 at 2006/01/17 01:04
薔薇は人の思惑など関係なく咲きますね。
女王陛下の庭園であろうと、
過疎の村の放置された畑であろうと、
通行人ばかりで誰も見向きもしないどこかの町の公園の片隅だろうと。
それぞれに美しく。

人間が人間に対して措置するこの醜い行いを、
薔薇のためだと言う。
美しい薔薇にちなんだある催しを、
美しく成功させるためだと言う。
こんなことはやめてほしいです。
同じ人間として、非常にかなしく、むなしく、おそろしい。
Posted by Ringing the Bell at 2006/01/17 20:17
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行政代執行マニュアル (名古屋市の場合)
Excerpt: 「マニュアル」の紹介をさせてもらいました。感謝。
Weblog: P-navi info
Tracked: 2006-01-17 17:10
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