=========
関淳一大阪市長
ゆとりとみどり振興局長
西区の靱公園、中央区の大阪城公園の野宿者に対する強制排除を行わないよう求めます。
シェルターや自立支援センターに引っ越したところで安定した生活がままならないことは、行政側が一番よく理解しているはずです。
まともな住居を提供した上で、仕事の世話と生活保護の給付を行うのが行政の本来の役目です。
人権行政を標榜されている貴市は、「大阪市人権行政基本方針」の概要で「だれもが個人として等しく尊重され、共生していく差別のない社会を実現し、自らの人生を自分で切り拓き、自己の能力を発揮でき、いきがいのある人生を創造できる社会を実現していくこと」を行政の基本理念であると掲げています。
この理念に基づき、両公園のテントに対する強制代執行の計画を撤回するよう、また野宿者の生活に対する援助施策の充実を重ねて強く求めます。
=========
失業により、公園などで野宿をやむなくしている方々への強制立退をやめてください。また、彼らに「死に損ない」などという罵声をあびせるのはやめてください。
公園をイベントなどに使用するため、また公共の場であることはわかりますが、立退後の一定の支援(人として最低限の生活保障・再雇用対策)などは考えていただいているのでしょうか?毎年200人以上の人が路上死を余儀なくされていると聞いています。まず彼ら・彼らを支援する人々・市民のみなさんとよく話をする場をもっていただき、見殺しにしない行政をしていただきたいと思います。よろしくお願いします。
=========
大阪市による野宿者強制排除の代執行に対する抗議声明 2006年1月16日
大阪市長 關 淳一 殿
八木 正 (広島国際大学医療福祉学部 教授)
生存権を奪われている野宿者たち
「落ちぶれた人間は、生きるに値しない」。これが日本の定住市民層の基本的な生活価値観である。野宿者たちへのあらゆる社会的処遇は、その価値観に根差している。精々のところ傲慢にも上から見下し、「恩恵的な」保護収容措置を形だけ施せば十分と弁解するが、その基本的な態度は「目障りな奴ら」の社会的な抹殺をも辞さない点にある。公園や通路からの野宿者強制排除の行政代執行は、この市民的価値観の一方的な代行行為にほかならない。
よって私は、この度の大阪市による靱公園・大阪城公園からの野宿者強制排除の行政代執行は、野宿者の人権、とりわけて生存権を根底から否定する理不尽極まりない行政措置として、これに強く抗議するものである。予定されていると聞く、西成公園についても同断である。
ちなみに、私は大阪市立大学人権問題研究センター『人権問題研究 第5号』(2005)に、「ホームレス生活の構造条件と生活主体の営為−ホームレス問題の基本的なとらえ方−」と題する論文を発表していることを付記しておく。
=========
抗議声明
大阪市長 關 淳一 殿
西部方面公園事務所
東部方面公園事務所
ゆとりとみどり振興局総務部管理課大阪市ゆとりとみどり振興局総務部管理課 宛
私たちは、自分たちの日常の生活の場である大学から、野宿者支援の活動を行なっていこうと、京都の学生を中心として結成された有志の会である。
野宿者の人権を尊重する立場から、大阪市が現在行なおうとしている、靭公園・大阪城公園のテントへの行政代執行による強制排除に対して、強く抗議する。
靭公園・大阪城公園のテントに居住する人たちは、1月11日に行政代執行手続きの差し止めを求める訴訟を起こしたと聞いている。公園の工事をしたいというのならば、当事者たちと真摯に話し合い、解決の道を探るのが筋である。しかし、さらに大阪市は1月13日に、17日を期限として「除却命令」を出したとも聞いている。話し合いを拒否し、強圧的に強制排除を進めようとする姿勢を、私たちは決して許さない。
20年ぶりという厳冬の中、テントという住居すら奪うことは、死へと追いやることに等しい。自立支援センターや仮設一時避難所を代替施設として提示しているとのことだが、それを選ばない人がいるのが何故かということを、もっと考えるべきである。プライバシーがない、荷物を置けない、短期間の期限の後にはどうなるかわからない、これまでの人間関係がなくなってしまうなど、様々な批判がされている。それらを解決しないままであれば、代替とは認めない人も多いだろう。そして、テントを奪われた後には襲撃や健康不安を抱えながら路上へと追いやられていくのだろう。
あなたたち公務員は、全体の奉仕者であるはずだ。公園の管理という名目で、居住権という基本的な人権を侵害し、人を死に追いやってはならない。即刻、行政代執行の手続きを撤回せよ。
路上と大学をむすぶ有志連絡会・京都
京都市左京区吉田本町京都大学文学部学友会気付