内閣総理大臣 小泉純一郎殿
総務大臣 麻生太郎殿
財務大臣 谷垣禎一殿
厚生労働大臣 尾辻秀久殿
国土交通大臣 北側一雄殿
衆院議長 河野洋平殿
参院議長 扇千景殿
私たち『大阪府・市高齢者特別就労事業』登録労働者と、当事業をこれからの日雇・野宿労働者の公的就労対策に不可欠のものとして支持する者は、当事業の堅持・拡大の為、大阪府・市の更なる努力と共に、政府の『緊急地域雇用創出特別交付金』(以下、『二次交付金』)に続く、来年度以降の予算措置を強く要請します。
当事業は、バブル経済崩壊に伴う建設不況によるアブレ失業・野宿の拡大・深化を受け、とりわけ飢餓線上にある高齢日雇労働者のために、釜ヶ崎地区道路清掃と「あいりん総合センター」清掃1日20名に対して約800名の高齢者輪番就労で94年11月に始まりました。さらに建設から第二次産業全部門への不況・失業の深刻化とその失業者の最先端部分で苦しむ野宿労働者の激増の中、公的就労対策への大阪府・市のさらなる協力と、当事業に対する3年前の国の『二次交付金』の導入を得ました。現在では大阪市内全域から3100名もの今年度登録労働者が市内の道路・公園の草刈り・清掃、府下の国道・河川の草刈り・清掃等に1日250名づつ輪番就労しており、日々、野宿あるいは生活保護基準以下のシェルター収容を強いられながらの苦しい生活を続けています。現在の事業規模では、登録労働者は1日5700円の仕事に1ヶ月3日乃至4日就労がやっとで、ほとんどの登録労働者は、これしか収入がないか、またはダンボール・アルミ缶等資源回収での収入5千円乃至2万円という飢餓線上の生活を強いられている状況です。しかしながら憲法には「国に就労保障の義務」が規定されています。また、関西、とりわけ大阪、釜ヶ崎の失業・野宿の深刻化は労働市場の変化に応じた日雇・野宿労働者の就労対策に本腰を入れてこなかった国の労働政策・経済政策の結果です。従って、国は私たち日雇・野宿労働者の長期的かつ困窮した失業状況に対する責任があります。近年の製造業をはじめとする一部「雇用回復」の部門には縁遠い私たち日雇・野宿の恒常的失業層は、労働者としての尊厳をもって生きていける『大阪府・市高齢者特別就労事業』の本格化を国の責任において強く求めます。私たちが特別就労事業で従事した現場は、そのほとんどが定期的巡回で草刈り・清掃・整備することが不可欠です。特に府下の国道、河岸はこういう手入れがなく十数年も放置されているところがたくさん残っています。そこに特別就労事業の現状枠の三倍、四倍の増員が必要だと考えます。
過去、『高齢者雇用促進予算』や『日雇多数雇用奨励予算』の「民間業者バラマキ」が単に不況期の有業者の食いつぶしに終わり、かえって労働者の「首切り奨励金」として雇用主に利用され高齢者・失業者のたらい回しを結果しました。各都道府県の緊急雇用特別対策事業に関わる前三年の『一次交付金』についてもその多くが完全失業者に回っていないと国会審議でも指摘された通りです。その見直しとして実施された現在の『二次交付金』も、最も困窮している私たち日雇・野宿の恒常的失業層には特別就労事業の他は交付金事業の仕事がほとんど回ってこなかったという結果を見ても明らかなように、やはり確実な雇用創出につながったとはいえないと考えます。「民間業者バラマキ」など失業者の雇用創出に結びつかない実施要領や運用方法などは今後見直さなければなりませんが、その交付金による民間業者の一部暫時雇用でなんとか生活を食いつないだ一般失業層に対しても、また公的就労対策としての高齢者特別就労事業等で何とか飢餓線上を生きる私たち日雇・野宿の恒常的失業層に対しても、国としての責任を放棄することは断じて許されません。私たちは日雇・野宿の恒常的失業層に「直接就労を創出する」を基本とする『大阪府・市高齢者特別就労事業』の小さいながらも確実に日雇・野宿労働者の生きる糧、生きる希望としてきた「実績」を吟味され、「特別就労事業」の更なる本格化の為の、『二次交付金』に引き続く『三次交付金』など国の予算措置の堅持と更なる拡大を強く要請します。
以下、要請します。
1.政府、国会として『二次交付金』の導入によって『大阪府・市高齢者特別就労事業』が果たしてきた役割を積極的に評価されたい。
2.多くが野宿を強いられている登録労働者3100名と今後登録を希望する55歳未満の野宿労働者にとって死活問題である『緊急地域雇用創出特別交付金』の今年度末打ち切りには絶対反対である。
3.一般失業層と、より困窮する日雇・野宿の恒常的失業層の為の、来年度以降の『三次交付金』を求める。
『大阪府・市高齢者特別就労事業』登録労働者一同
および当請願書に賛同・署名する団体・個人一同
高齢者特別就労組合準備会
(連絡先)〒557−0062大阪市西成区津守1丁目13番地 西成公園内 西成公園よろず相談所気付 高齢者特別就労組合準備会
(電話)090−8233−3737
(FAX) 06−6374−2233
集約期限は2005年1月末までです。
FAXもしくはkamapat@infoseek.jpまで賛同署名をお寄せください。