2005/01/09

こんな逮捕はぜったいおかしい(大阪城)

こんな逮捕はぜったいおかしい
〜“追い出し”高じて、テント立てる前に現行犯??〜

【10月27日の出来事】
 10月27日、電動車イスで、ある男性が公園敷地内にテントを立てようとしました(以下、Kさんとします)。Kさんはいま起訴されて拘置所に勾留されています(詳細後述)。 ここ数年来、大阪市内の公園は「公園適正化」という名のもとの野宿者排除策で、あちこちにシェルター(仮設一時避難所)ができています。大阪城公園内では2002年11月に開設されてから2年が過ぎました。公園内のシェルターの多くは3年間の期限付きで、仕事紹介も数時間にもみたない所内・外の軽作業を輪番制にしているくらいです。このシェルター施策は「公園適正化」のためであることより、テント撤去が入所の条件となっています。公園内のあちこちでダンボールや毛布1枚で過ごす野宿者がいますが、こういった露宿の人間はシェルター入所の条件に含まれていません。以前、大阪城公園管轄の東部方面事務所職員が、あるテントのかかっているひもにカッターナイフをちらつかせてテントを畳むよう脅した事件がありました。これまで公園管理事務所はテント住人にテントを畳む同意書を書かせたのですが、このときに私たちが抗議してシェルター入所時に書く同意書の無効性を口頭で確約させ、その不当性を明らかにしました。
 Kさんは50代の男性で車イスで生活しています。なので、通りすがりの顔見知りに声をかけ指示して公園内に新しいテントを立てようとしました。公園内は24時間警備でまわるガードマンがいます。新しいテントを立てようとする人にはいろいろ質問・詰問してテントを張らせない役目なので、Kさんと問答になりました。ガードマンは公園職員に連絡をとり、公園職員は大阪市の公務員とは思えないような威嚇的な口調でテントをはらないように「話し」はじめました(さながらヤクザの口調のようだったとテントを立てるのを手伝った人、曰く)。
 最初は下手に出ていたKさんもだんだん感情的になって、つい刃物を投げました(ちなみにテント生活者にとって登山用ナイフは何かと重宝する生活必需品)。職員はすぐさま通報し、東警察署がやってきました。そして数名の警察官が車イスを総勢10名くらいの制服が取り囲む形に。おそろしいことに、今度はさらに年季の入ったヤクザ口調で「死にぞこないが!」と暴言を吐く、「おいおい、手え出すなよ!」とKさんを侮辱する。Kさんはまさかテントを張ろうとして自分が逮捕されるなんて思ってもみなかったでしょう。大阪城公園内には一時に比べてかなり減ったとはいえ、まだ150を数えるテントが張られているのだから。

【Kさんがわるいの?テントを張るのは犯罪なの??】 
 この事件から見えてくるものを考えたとき、凶器を持っていたからわるい、挑発に乗ったからわるいという意見もありました。でも、それだけでしょうか。それではあまりに問題の構造を一面化してると考えます。昨年7月末に成立した「ホームレスの自立の支援に関する特別措置法(以下、特措法)」はシェルター施策の背景となっている法律です。
 特措法より、野宿者の定義をみてみると『この法律において「ホームレス」とは、都市公園、河川、道路、駅舎その他の施設を故なく起居の場所とし、日常生活を営んでいる者をいう』そうですが、「故なく起居」しているホームレスはいません。この精神でいけば、やむにやまれずテントを立てようとして居丈高に言われても黙ってがまんしろ、という話になって野宿しているひとの声は封じ込められてしまいます。それとKさんは車イスに乗っていました。もし腹が立っても立てないしもちろん殴ることもできない。もし一矢を報いる方法があるとしたら、そしてそれが日常的に使っている登山用ナイフを投げつける、ということだったとしたら、誰がそれを責められるのでしょうか。それがKさんの怒りを表現する数少ない方法だったと考えることはできないでしょうか。
 そもそもテントを立てること自体が犯罪扱いされています。テントを潰されればそこで暮らしている人たちはたちまち明日の寝床と食料に事欠きます。公園に住むテント住人の多くが違法占拠であることを自覚していますが、それでもテントを立てるのは寝床が必要だからです。生存権としての居住の権利は誰も奪えません。それでなくともテント暮らしには何の保証もなく、住人が仕事などでテントを離れていると盗難に遭うことはままあります。大事な商品や商売道具が奪われても、公園に住んでいるのが違法である以上、盗難届も出しようがないし泣き寝入りするしかありません。その日暮らしは過酷さと隣り合わせの自由です。野宿にいたる人間を指弾するのはたやすいですが、仕事の数は決して多くありません。慢性的な不況、福祉の切り捨てで野宿にいたる人は増え続けています。仕事の保証も生活保護の受給もせずに路上や公園から追いやる行政のやり方は、野宿者の置かれている状況〜「仕事の値段」が「いのちの値段」に直結している現実〜を無視しているといえるでしょう。

【強制排除に抗する取り組みを】
 長居公園のシェルターが3年にみたず閉鎖されたのはまだ記憶に新しく、天王寺公園の青空カラオケ屋台も去年末に行政代執行され一掃されました。もう野宿者は「物」であって「ひと」ではない。法的に撤去し排除する対象なのだ、という風潮はますます強まっています。はたらくことができない、活用されないホームレスは一方的に追い立てられてもいいことになっているのです。拘置所にいるKさんを支えること、公園で起こっている出来事に応答した取り組みをつづけていくことは、私たちの生きる社会を底辺から変えていく行動のひとつになるでしょう。

Kさん公判(傍聴支援を!)
1月17日14:40〜 大阪地裁 404号法廷

失業と野宿を考える実行委員会 連絡先:06-6647-8278(釜ヶ崎医療連気付)
※釜ヶ崎医療連、釜ヶ崎パトロールの会、長居公園仲間の会、特就労組準備会、釜ヶ崎炊き出しの会、大阪城公園よろず相談所、西成公園よろず相談所などで構成する実行委です。
posted by kamapat at 04:53 | Comment(0) | TrackBack(1) | 反排除
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