こんにちは。Nです。
8月24日の突然の逮捕から13日間、世界陸上の終わった直後の9月5日(水)の夕方に、無事釈放されました。「釈放事由」は「拘束不要」とのことですが、紙切れ一枚でのあまりにもあっけない釈放でした。
この間、ほんとにたくさんの方々から激励のメッセージや大阪府警への抗議を寄せていただきました。全て、弁護士接見を通じて私に届けていただきました。長居公園の仲間は毎晩府警本部前に激励に駆けつけてくれました。ひとつひとつの言葉が、思いが、こんなにも暖かいものかと、体に染み渡るようにしみじみと感じられました。ありがとうございました。
私が逮捕された容疑は、「ディーゼル車の排ガス規制を免れるために、使用の本拠をいつわって車検の継続検査を2回にわたって行った容疑」=ひらたく言えば不正車検です。逮捕と同時に、扇町公園の私の小屋と私のアルバイト先である人民新聞社オフィスに加え、釜パトメンバーの自宅が家宅捜索にあい、メンバーの携帯電話などが押収されました。扇町公園の小屋は令状なし・立ち会いなしの捜索でした。大阪府警のやり方のなんとデタラメなことといったら、自分自身に降りかかったことながら、あきれてしまいます。ここまでやるか、と言うか、世の中はここまで来てしまったのか、という印象です。
府警本部の留置場内では、さまざまな被疑者たちの闘いの存在にも気づかされました。身に覚えのない容疑を着せられ、数ヶ月にわたって刑事と渡り合っているひと。警察の拷問のようなすさまじい取り調べを受け続けているひと。独房で精神安定剤を飲み続けているひと…。彼らの闘いとの出会いも、今後の取り組みの糧としていきたいです。
また、弾圧対策の未熟さや救援活動の問題点などにも気づかされました。さらに学習を進めて、反省点を生かしていきたいと思っています。
留置場内での経験や、逮捕・取り調べの手口についてなど、必要な場面で可能な限りお伝えし、運動総体の弾圧対策として共有していきたいと思っています。
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今回の逮捕・勾留については既に多くの方がご指摘されておりますように、天皇出席と強制排除のもとでの世界陸上開催にあわせ、抗議行動を封殺する目的で強行された暴挙であることは明らかです。
取り調べの中でわかったことですが、大阪府警警備部公安三課は、長居公園テント村の強制排除の手続きに入った昨年11月21日の時点で、近畿陸運支局に当該車両の車検申請書の照会を行っています。また、車両の捜索のためとして、車検証に記載された車庫の所在地や私の「実家」を訪れたのは、この8月になってからです。さらに、今年4月30日に長居公園で私たちが開催した「長居公園一日テント村〜明るいビンボーメーデー」の際にも、「車を使っているかどうか」をチェックしに来ています。これらのタイムラグも、明らかに天皇来阪のタイミングを計った逮捕であることを物語っています。
また、8月25〜27日の天皇来阪中は、私が居住し、釜ヶ崎パトロールの会の活動拠点である扇町公園を公安刑事が常駐監視していました。今年の5月7日、ADB(アジア開発銀行)の総会が京都で開催され、皇太子が昼食会参加のために関西にやって来た際にも、私や他の釜パトメンバーは常時公安刑事の監視につきまとわれました。
私は今回ほど天皇制の悪質さを身をもって感じたことはありません。民主主義と相容れず、自由と敵対するものであるかをつくづく実感しました。
怒りを新たに、今後も「天皇制解体!」の声を上げ続けていきたいと思います。
今回の弾圧は、強制排除や住民票取り上げ、日雇い労働者の一時金の廃止、高齢労働者の失業対策事業である特別就労事業の縮小と続く、大阪市による下層労働者の棄民化攻撃に連なるものです。これらの攻撃に一貫して反撃を担ってきた運動総体への弾圧だととらえています。8月25日の集会・デモをはじめ、弾圧への抗議行動もそういったものとして取り組まれました。
そして私たちは、野宿・日雇いの立場から、失業者・フリーターや生活保護受給者、外国人労働者など、社会的排除を被る貧しき「持たざる者」たちの連帯を呼びかけています。長居公園の強制排除との闘いなどにおいては、たくさんの仲間といっしょにそれを結実させてきました。
やつらは、下層労働者と「持たざる者」の腹の底からの怒りが燃え広がることを恐れています。そしてその怒りが、天皇制解体の声と結びつくことを本能的に恐れています。
やつらの恐れるものこそが私たちの希望!
私は、野宿労働者・日雇い労働者の団結を軸に、貧困者・「持たざる者」の連帯を呼びかける運動を今後も力強く進めていく思いを新たにしています。
全てのひとの尊厳ある生のために、ともに闘いましょう!
N
長居公園仲間の会/釜ヶ崎パトロールの会